ディスクの読み込み、書き込みの障害がボツボツと発生し始めると、一気に、読み書きできなくなるのが常だと思います。
一時的な回避策もハード障害の場合は、文字通り一時しのぎでしかありませんから、
遠からず、ハードディスク交換が必要になります。
今回は、備忘録も兼ねて ディスク交換した際の手順を簡単にまとめてみました。
ディスク交換手順記事一覧
fdiskコマンド編
LVMを使用したディスク追加手順は、ディスクの追加手順をまとめてみた(LVM編) です。
LVMを使用したディスク交換手順は、ディスクの交換手順をまとめてみた(LVMパーティション&fdiskによるパーティション拡張編) です。
通常ディスクを使用したディスク追加手順は、ディスクの追加手順をまとめてみた(通常ディスク編) です。
通常ディスクを使用したディスク交換手順は、ディスクの交換手順をまとめてみた(通常パーティション&fdiskによるパーティション拡張編) です。
partedコマンド編
パーティションテーブルを MBR(msdos)からGPTへ移行する手順は、2TiB超えパーティションのためのMBR(msdos)からGPTへの移行 です。
LVMを使用したディスク交換手順は、ディスクの交換手順をまとめてみた(LVMパーティション&partedによるパーティション拡張編) です。
通常ディスクを使用したディスク交換手順は、ディスクの交換手順をまとめてみた(通常パーティション&partedによるパーティション拡張編) です。
- 目次
- 履歴
2015年06月03日 レスキューモード(リカバリーモード)について記載
2015年1月18日 初版
ディスク交換
ここでは、20GBの元ディスクを40GBの交換用ディスクへ入れ替えてみます。
電源断状態で、追加ディスクを取り付ける
まずは、電源断します。
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shutdown -h now
とほぼ同じ動作をします。
shutdownコマンドに慣れている方は、そちらでもOKです。
電源断したら、交換する新しいディスクを取り付けます。
ただし、古いディスクから新しいディスクへ中身をコピーするまで、古いディスクも装着したままとします。
レスキューモード(リカバリモード)で起動する
新しいディスクの取り付けを終えたら、電源投入ですが、ここでは、レスキューモード(リカバリモード)で起動します。
ディスクの入れ替え等々ストレージのメンテナンスは、通常のシステム状態で行うことはありません。
一般的に、シングル(ユーザ)モードやレスキューモード(リカバリモード)などで作業を行うことが求められます。
ここでは、万全を期すためにも
レスキューモード ( Debian or Ubuntu では、リカバリーモード ) で作業を行うこととします。
CD/DVDドライブに インストールディスクを挿入し、システム再起動します。
CentOS 7 では、以下のような画面が表示されます。
Trouble Shooting を選択します。
Rescue a CentOS System を選択し、レスキューモードへ切り替えます。
上記のように環境設定を行うか確認メッセージが表示されます。
今回は、ディスクの変更だけですので、特別な環境設定は必要ありませんので、ここではSkipで良いでしょう。
上記のように レスキューモード のプロンプトが表示されますので、あとは、コマンドにてパーティションの変更を行います。
電源投入と同時に(GRUB2の場合)Shiftキーを押下します。
Ubuntu 14(LinuxMint) では、以下のような画面が表示されます。
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ディストリビューション名 — recoverry mode を選択します。
起動の後、上記のようにリカバリーメニューが表示されます。
root Drop to root shell prompt を選択し、リカバリーモードのシェルを起動します。
上記のように Give root password …(…): とパスワードを聞かれるので、root(管理者)のパスワードを入力します。
上記のように リカバリーモード のプロンプトが表示されますので、あとは、コマンドにて各作業を行います。
それらの作業を行う前に、読み書き可で再マウントしておきましょう。
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シングルユーザモードへの切り替えは、以下のコマンドで実行することができます。 遠隔操作では不可で、端末から直接、テキストモードでログインし、以下のように入力すればシングルユーザモードに切り替わります。(参考まで)
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新しいディスクが認識できているか確認する
コマンドにて、新しく取り付けたディスクが認識できているか確認します。
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上記の出力例では、/dev/sdb が新しく追加されたディスクとなります。
新しく交換するディスクが、まっさらのハードディスクであれば、/dev/sdb には、上記のようにパーティションがないはずです。
古いディスクをそのまま新しいディスクへコピーする
dd コマンドを使って、ディスクコピーします。
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電源断状態で、古いディスクを取り外す
まずは、電源断します。
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電源断したら、古いディスクを取り外します。
また、先に接続した新しいディスクのSATA接続先を取り外した古いディスクのそれに差し替えます。
作業を終えたら、電源投入します。
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上記のように、ディスク容量の合計は、20GBのままとなっています。
ただ、実際のディスク容量は、40GB(厳密には42.9GB) なのは、上記の出力結果からわかります。
次は、ディスクの余っている分をルートディレクトリとして増量します。
ディスク容量を変更(増量)
先の手順にて、20GBのHDDを40GBの新HDDへ交換しました。
ただ、このままでは、20GB増量となった新HDDをフル活用できていないので、
余っている 20GB を既存のルートディレクトリの容量に追加増量してみます。
レスキューモード(リカバリモード)で起動する
一旦、現行パーティションを削除し、容量変更しますので、何かあった場合に、ディスク情報が読めなくなってしまうと大変です。
ここは、レスキューモード(リカバリモード)で変更します。
具体的な レスキューモード(リカバリモード)の起動方法は、 先の “レスキューモード(リカバリモード)で起動する” を参照してください。
fdisk を使って パーティションを拡張する
fdisk コマンドで、拡張するデバイスを指定します。
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パーティションを拡張します。
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ファイルシステムを LVMへ変更します。
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最後に、変更したパーティションを反映するために システム再起動を実施します。 (次回もレスキューモード(リカバリーモード)で起動します。)
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PV を拡張する
LVMを使っていますので、続けて PV, LV の拡張を行います。
レスキューモード(リカバリーモード)で、PVのサイズを変更します。
PV(Physical Volume) 物理ボリューム と LV (Logical Volume) 論理ボリューム という2つのボリュームを持ちます。
LVMは、物理的に複数のボリュームを1つの論理ボリュームとして扱うことができます。
つまり、ここでいう 複数のPV を 1つのLV に割り当てることができるということです。
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LV を拡張する
続けて、論理的なボリューム LV を変更します。
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ファイルシステム を拡張する
レスキューモード(リカバリーモード)で、ファイルシステムのサイズを変更します。
ファイルシステムのチェックを行います。
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異常の内容によってメッセージも異なりますで、確認の上、指示に従って作業を行ってください。
ファイルシステム を 拡張します。
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最後に、システム再起動します。
(CD/DVDドライブの インストールディスクなどを装着している場合は、それらを取り出した上で再起動します。)
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最後に容量を確認
システム再起動後、正しくディスクの交換および容量変更ができたか確認してみましょう。
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ルートディレクトリ( /dev/mapper/centos00-root ) の容量がアップし、
スワップ領域( Swap total )が LVのスワップ領域のサイズと同じであればOKです。
(おまけ)ディスクシステムを確認する方法
ディスクシステムを確認する方法について、ちょっとだけ解説しておきます。
確実にディスクシステムを確認するには、/etc/fstab をダンプするのが、一番、間違いないかと思います。
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/etc/fstab は、あくまで ディスクなどをどのようにファイルシステムにマウントするかを記述するためのファイルですから、
マウントしないものは、記述されていません。
マウントしていないファイルシステムを確認するのは、parted コマンドを使うと確認することができます。
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ここまでやってしまうとLVMのメリットは何だったのか?と思わなくもないですね。
本来、LVMを利用しているのであれば、レスキューモードなど必要なく、オンライン状態で、パーティションを追加し、PV追加し、LVへ追加すれば良いです。
そのまた、実際に電源断やシステムリブートなどで、サーバーが停止する時間は、ディスク交換およびディスクコピーを行う時間だけになるはずです。
それ以外にも物理的に異なるディスクをあたかも1つのディスクのように扱うことができるわけですから、 ディスク容量が不足した場合、今まで、ディスクを丸ごと切り替えるか、ln コマンドなどで、一部のディレクトリを追い出すなどの手段で問題回避してきたのが、 LVMでは、簡単に増設できます。 さらに、あたかも、物理的なディスク容量がふえたかのように振る舞ってくれる点は、サーバーの管理者にとっては、非常にうれしいことだと思います。
ただ、個人ユーザの場合、特にそれだけのディスクの増設や入れ替えを行うことがあるとは思えない方には、それほどのメリットはないかもしれませんね。
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