
Red Hat社がリリースした Enterprise 向け Linux ディストリビューションより、同社の商標に関する部分を削除し、さらに高エネルギー物理学分野でよく用いられる一部のパッケージを追加し、ソースコードから再コンパイルした無償配布のディストリビューションである。
( 出典 : http://ja.wikipedia.org/wiki/Scientific_Linux )
そもそもScientific Linuxがこれだけ注目を集めているのは、CentOSのVersion 6 のリリースが遅れたからだと言われています。
未だに、CentOS 6.1 のリリースを行っていませんが、Scientific Linuxは、6.1を既にリリースしています。
この点からも、CentOSからの乗り換えにScientific Linuxが脚光を浴びているのですね。
遂には、さくらのVPS でもScientific Linux インストールの提供が始まりました。
今回は、さくらのVPS でも役に立つようにScientific Linux インストール、セッティングについて、解説してみたいと思います。
まずは、Scientific Linux インストールについて、簡単に解説しています。
さくらのVPSでは、クリック一発で、インストールできてしまいますので、さくらのVPS
利用の方は、あまり意味がないかしれません。
ここでは、通常のインストール方法(DVDからのインストール)を行ってみます。
- 目次
- 履歴
2011年10月25日 初版
Scientific Linux 6 をインストールする
Scientific LinuxのDVDをセットし、システムの再起動を行います。

ISOファイルの場合は、ISOファイルを選択すればOKです。
再起動すると以下のような画面が表示されます。
インストールの仕方(グラフィック(GUI)かテキスト(CUI)か)を選択します。
ここでは、グラフィック(GUI)を行いますので、そのまま<Enter>を入力します。
次にディスクチェックの画面が表示されます。
ディスクの読み込みチェックを行います。
ディスクに問題がないことが分かっている場合は、Skipをクリックします。
※isoファイルでない場合は、一度はチェックしておいた方が良いでしょう。
インストール開始画面からインストールを開始します。
使用する言語を指定します。
キーボードの言語を指定します。
インストールするストレージデバイスタイプを指定します。
基本ストレージタイプ、エンタープライズストレージタイプのうちいずれかを選択します。
エンタープライズストレージタイプは、ストレージエリアネットワークなどを使う場合に利用します。
通常、基本ストレージタイプを選択し、次へをクリックして、次の画面へ進みましょう。
ここで、現在のディスク状態をチェックします。
初期状態やLinux用のディスクが無い場合は、以下のようなディスクの初期化確認画面が表示されます。
ディスクの初期化に問題がなければ、全てのを初期化(T)をクリックして、次の画面へ進みましょう。
もし、既に初期化済みの場合は、以下のような画面が表示されます。
上書きで問題ない場合は、はい、含まれていません。どのようなデータがあっても破棄してください。をクリックして、次の画面へ進みましょう。
ホスト名を指定します。
ホスト名が決まっている場合は、ホスト名を手動で設定します。次へをクリックして、次の画面へ進みましょう。
例)host.exmaple.com
インストール後、手動にてIPアドレスなどの設定を行うので、ここでは解説していません。
地域を指定します。
地域に、アジア/東京を選択します。次へをクリックして、次の画面へ進みましょう。
仮想ゲストOSとしてインストールしている場合は、ホストOSの合わせておいた方が良いです。
例えば、
ホストOSが、Windowsの場合は、BIOS のハードウェアクロックにローカル タイム (UTCではありません) を格納します。
その場合ににここでチェックしておくと、日本時間は、UTC + 9 時間ですから、ゲストOSのリブート時に 9時間 ずれることになります。
そのため、チェックを外しておくことをおすすめします。
仮想化を利用していない場合は、いずれを利用していても問題ないでしょう。
rootのパスワードを設定します。
インストールするディスク(パーティション)を指定します。
特別なディスクやパーティションの設定を行いたい場合は、ここで詳細な設定を行います。
初期状態の場合は、デフォルトのまま「すべての領域を利用する」で問題ないと思います。
次へをクリックして、次の画面へ進みましょう。
続けて、すべての初期化が行われるので、以下のようなディスクの初期化確認画面が表示されます。
ディスクの初期化に問題がなければ、変更をディスクに書き込むをクリックして、次の画面へ進みましょう。
すぐにディスクのフォーマットが開始されます。
途中で、ネットワークデバイスの確認画面が表示されます。問題なければ、そのまま [ OK ] ボタンをクリックして先へ進みましょう。
インストールするタイプを選択し、インストールを開始します。
ここでは、サーバー系の各パッケージは、後で個別にインストールしたいので、必要最小限に設定します。
- Minimal
GUIでのセッティングが欲しい方は、Desktop , Desktop-Minimal を選択すると良いと思います。
リポジトリも後で必要なリポジトリは追加していきますから、ここも必要最小限に設定します。
- Scientific Linux
最後に、インストールするソフトウェアの詳細を設定するために
今すぐカスタマイズ を選択し、次へをクリックして、次の画面へ進みましょう。
続けて、インストールするソフトウェアのパッケージを選択します。
- ベースシステム – ベース
- 開発 – 開発ツール
- 言語 – 日本語サポート
ここでは、本当に必要最小限のみをインストールしますので、上記のみとしました。(上記以外は、全てチェックを外しました。)
次へをクリックして、次の画面へ進みましょう。
インストールに必要なメディア情報が表示されます。手持ちにあるはずなので、続行 をクリックします。
すぐにインストールが開始されます。
インストールの途中で、ディスクの入れ替え要求があります。ディスクを入れ替えて、[ OK ] ボタンをクリックします。

ISOファイルの場合は、ISOファイルを選択すればOKです。
インストールが完了すると、以下のような画面が表示されます。
DVDの取り出し、再起動をクリックして、システムの再起動を行い、インストール完了です。
リブート完了、ログイン後、ネットワークの設定を行います。
ネットワーク設定には、以下のコマンドを投入します。
|
以下の画面が表示されます。
Device configuration を選択し、Return します。
設定したデバイスを ( eth —– ) を選択し、Return します。
ここで、以下の項目を設定します。
- Use DHCP [ ]
– DHCPサーバーを利用する場合は、ブランクキーでチェックします。
- Static IP
– DHCPサーバーを利用しない場合は、固定IPアドレスを入力します。
- Netmask
– DHCPサーバーを利用しない場合は、固定IPアドレスのネットマスクを入力します。
- Default gateway IP
– DHCPサーバーを利用しない場合は、デフォルトゲートウェイIPアドレスを入力します。
- Primary DNS Server
– DHCPサーバーを利用しない場合は、プライマリーDNSサーバーを入力します。
- Secoundary DNS Server
– DHCPサーバーを利用しない場合は、プライマリーDNSサーバーを入力します。
ゲートウェイは、ルーターのIP、DNSサーバーもルーターのIPアドレスになるでしょう。
設定を終えたら、[ OK ] ボタンをクリックします。
続けて、[ Save ] ボタンをクリックします。
最後に、[ Save & Quit ] ボタンをクリックし、終了します。
起動時にネットワークを常に有効とするように設定しておきます。
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設定を終えたら、ネットワークを再起動します。
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これで完了です。
pingコマンドで、外部ホストへアクセスできることを確認しておきましょう。
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CentOS や FredoraCore などRed Hat系をインストールしたことがある方には、それほど難しいことではありません。
今回は、インストールに関してのみ記載しました。さくらのVPS

次回から、各サーバーをインストールしてみます。
いずれにせよ、Scientific Linuxは、フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)及び欧州原子核研究機構(CERN)の公的機関で使用されていますから、 更新が止まることはないというのが、一般的な見方のようです。
その点からもCentOSからScientific Linuxへの移行が進んでいる要因なのだと思います。
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