1TBのDiskコピーにかかる時間を計算してみる
1TBのDiskコピーにかかる所要時間を計算する上で、各インターフェイスの転送速度、各ディスクの読込/書込速度が必要となります。
例えば、以下のような条件で接続されたディスクがあったとします。
- USB 転送速度 = 60 MB/s
- コピーするディスクの遅い方の読み込み速度/書き込み速度 = 150 MB/s
この条件だと、ディスクの読み書き速度が転送速度より速いので、USBで もたつくことがわかります。
つまり、1TB ( = 1,000,000 MB ) をコピー(転送)しようと思うと、ざっと、
転送時間 = 1,000,000 MB ÷ 60 MB/s = 16,667 (秒) = 278 (分) = 4.6 (時)
という計算になります。
また、
- SATA 転送速度 = 375 MB/s
- コピーするディスクの遅い方の読み込み速度/書き込み速度 = 150 MB/s
この条件だと、ディスクの読み書き速度が転送速度より遅いので、ディスクの読み書きで もたつくことがわかります。
つまり、1TB ( = 1,000,000 MB ) をコピー(転送)しようと思うと、ざっと、
転送時間 = 1,000,000 MB ÷ 150 MB/s = 6,667 (秒) = 111 (分) = 1.9 (時)
という計算になります。
このように転送速度とディスクの読み書き速度の比較で、ざっくりとしたディスクコピーの時間を算出することができます。
そのために、まず、前提条件を明確にしておきます。
前提条件
各インターフェイス規格の転送速度
インターフェイス規格の転送速度一覧表
インターフェイス規格 | バージョン | 転送速度(理論値) | 転送速度の実質値の変換倍率 | 転送速度(実質値) |
IDE | UDMA 5 | 100.3(MB/s) | 0.7 | 70.21(MB/s) |
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UDMA 6 | 133.3(MB/s) | 0.7 | 93.31(MB/s) |
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UDMA 7 | 166.6(MB/s) | 0.7 | 116.62(MB/s) |
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SATA | 1.0 | 187(MB/s) | 0.7 | 130.9(MB/s) |
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2.0 | 375(MB/s) | 0.7 | 262.5(MB/s) |
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3.0 | 750(MB/s) | 0.7 | 525(MB/s) |
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USB | 1.0 | 1.5(MB/s) | 0.5 | 0.75(MB/s) |
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2.0 | 60(MB/s) | 0.5 | 30(MB/s) |
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3.0 | 625(MB/s) | 0.5 | 312.5(MB/s) |
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インターフェイス規格には、転送速度の理論値が必ずあります。
でも、実運用上では、抵抗0ではありえないですし、いろんな条件がありますから、転送速度は、必ず理論値よりも低くなります。
特にUSB については、転送にたどりつくまでの敷居が多く、転送速度は、より劣化しやすいといわれています。
ここでは、その劣化指標を理論値からの倍率で示しています。
この値は、最低限のコピー時間を算出するための かなり楽観的な値であって、機器によっては、実際の転送速度もっと低い場合があります。
各ディスクの読込/書込速度
ディスクの読み書き速度一覧表
ディスク種別 | 読込速度 | 書込速度 |
SSD | 450(MB/s) | 300(MB/s) |
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HDD | 150(MB/s) | 150(MB/s) |
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USB メモリ | 200(MB/s) | 100(MB/s) |
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各ディスクの読込/書込速度は、各機器、機種ごとにかなりばらつきがります。
ここでは、最低限のコピー時間を算出するための かなり楽観的(高速)な値であって、機器および機種によっては、この値より低い場合があります。
所要時間(計算値)
1TBのディスクコピー時間一覧表
インタフェース規格 | バージョン | 転送速度(理論値) (リアル値) |
1TBのディスクコピー時間 |
(より遅い)ディスク |
読/書 |
速度 |
コピー時間 |
IDE | UDMA 5 | 100.3(MB/s) 70.21(MB/s) | SSD | 書込側の場合 | 450(MB/s) | 3.96(時) |
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読込側の場合 | 300(MB/s) | 3.96(時) |
---|
HDD | 書込側の場合 | 150(MB/s) | 3.96(時) |
---|
読込側の場合 | 150(MB/s) | 3.96(時) |
---|
USB メモリ | 書込側の場合 | 200(MB/s) | 3.96(時) |
---|
読込側の場合 | 100(MB/s) | 3.96(時) |
---|
UDMA 6 | 133.3(MB/s) 93.31(MB/s) | SSD | 書込側の場合 | 450(MB/s) | 2.98(時) |
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読込側の場合 | 300(MB/s) | 2.98(時) |
---|
HDD | 書込側の場合 | 150(MB/s) | 2.98(時) |
---|
読込側の場合 | 150(MB/s) | 2.98(時) |
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USB メモリ | 書込側の場合 | 200(MB/s) | 2.98(時) |
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読込側の場合 | 100(MB/s) | 2.98(時) |
---|
UDMA 7 | 166.6(MB/s) 116.62(MB/s) | SSD | 書込側の場合 | 450(MB/s) | 2.38(時) |
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読込側の場合 | 300(MB/s) | 2.38(時) |
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HDD | 書込側の場合 | 150(MB/s) | 2.38(時) |
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読込側の場合 | 150(MB/s) | 2.38(時) |
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USB メモリ | 書込側の場合 | 200(MB/s) | 2.38(時) |
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読込側の場合 | 100(MB/s) | 2.78(時) |
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SATA | 1.0 | 187(MB/s) 130.9(MB/s) | SSD | 書込側の場合 | 450(MB/s) | 2.12(時) |
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読込側の場合 | 300(MB/s) | 2.12(時) |
---|
HDD | 書込側の場合 | 150(MB/s) | 2.12(時) |
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読込側の場合 | 150(MB/s) | 2.12(時) |
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USB メモリ | 書込側の場合 | 200(MB/s) | 2.12(時) |
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読込側の場合 | 100(MB/s) | 2.78(時) |
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2.0 | 375(MB/s) 262.5(MB/s) | SSD | 書込側の場合 | 450(MB/s) | 1.06(時) |
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読込側の場合 | 300(MB/s) | 1.06(時) |
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HDD | 書込側の場合 | 150(MB/s) | 1.85(時) |
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読込側の場合 | 150(MB/s) | 1.85(時) |
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USB メモリ | 書込側の場合 | 200(MB/s) | 1.39(時) |
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読込側の場合 | 100(MB/s) | 2.78(時) |
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3.0 | 750(MB/s) 525(MB/s) | SSD | 書込側の場合 | 450(MB/s) | 37.04(分) |
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読込側の場合 | 300(MB/s) | 55.56(分) |
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HDD | 書込側の場合 | 150(MB/s) | 1.85(時) |
---|
読込側の場合 | 150(MB/s) | 1.85(時) |
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USB メモリ | 書込側の場合 | 200(MB/s) | 1.39(時) |
---|
読込側の場合 | 100(MB/s) | 2.78(時) |
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USB | 1.0 | 1.5(MB/s) 0.75(MB/s) | SSD | 書込側の場合 | 450(MB/s) | 370.37(時) |
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読込側の場合 | 300(MB/s) | 370.37(時) |
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HDD | 書込側の場合 | 150(MB/s) | 370.37(時) |
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読込側の場合 | 150(MB/s) | 370.37(時) |
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USB メモリ | 書込側の場合 | 200(MB/s) | 370.37(時) |
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読込側の場合 | 100(MB/s) | 370.37(時) |
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2.0 | 60(MB/s) 30(MB/s) | SSD | 書込側の場合 | 450(MB/s) | 9.26(時) |
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読込側の場合 | 300(MB/s) | 9.26(時) |
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HDD | 書込側の場合 | 150(MB/s) | 9.26(時) |
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読込側の場合 | 150(MB/s) | 9.26(時) |
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USB メモリ | 書込側の場合 | 200(MB/s) | 9.26(時) |
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読込側の場合 | 100(MB/s) | 9.26(時) |
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3.0 | 625(MB/s) 312.5(MB/s) | SSD | 書込側の場合 | 450(MB/s) | 53.33(分) |
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読込側の場合 | 300(MB/s) | 55.56(分) |
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HDD | 書込側の場合 | 150(MB/s) | 1.85(時) |
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読込側の場合 | 150(MB/s) | 1.85(時) |
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USB メモリ | 書込側の場合 | 200(MB/s) | 1.39(時) |
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読込側の場合 | 100(MB/s) | 2.78(時) |
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※この色の速度表記は、転送速度より読/書速度が速い場合です。
※この色の速度表記は、転送速度より読/書速度が遅い場合です。
あくまでざっとした算出結果ではありますが、USBがいかに遅いかが良くわかります。
USB 3.0 だと速そうですが、USB 3.0 対応と言っても、実際には、機種によってかなりばらつきがあるようで、必ずしも上記の転送速度が出るとは限りませんので、
あらかじめご了解ください。( USBは少々不安が残るので、あまりおすすめしません。 )
なんだかんだで SATA の速さは、群を抜いていますね。
空きがあるなら、素直に SATA へ接続し、マウントしてコピーするのが、一番、速そうです。
また、ここでは比較していませんが、有線LAN(1Gbps) で2台のPCを接続し、コピーするのも USB 2.0 で接続するよりは、かなり早いこともわかっています。(参考まで)
いかがだったでしょうか?
当たり前と言えば、当たり前の結果ですが、USBが便利になったので、安易にUSB接続に頼ってしまいがちな昨今ですが、
ディスク接続については、ちょっと考えて行動した方が良いですね、自己反省も含めて。
また、先頭画像(ディスクのクローン作成機器)は、Amazonから拝借いたしました。
好き好きがありますが、この手の機種は、ピタッと条件がはまると便利なんですが、ディスクサイズや規格など何かと条件が多く、案外、使い勝手が良くないです。
さらに、基本的にUSB接続パターンが多く、USB3.0対応と言っても、案外、転送速度が出なかったりもします。
結局、色々と個人的にも試した感じでは、SATAの接続が可能なら両者接続の上、コピーするのが 一番 良さそうです。
それができない場合は、有線LAN(1Gbps)での接続が可能なら2台のPCでコピーするのも良いかと思います。
ここでの結果からもわかるように USB 2.0 は、大容量の今の時代では、かなり時間を要すことになりそうです。
さらに USB 3.0 といっても、機種によっては対応済というわりには、USB 2.0 規格分ぐらいしか転送速度がない場合が、案外、多いので注意が必要かもしれません。
皆さんもディスクコピー時の安易なUSB接続にはご注意ください。
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