CentOS 7 (RHEL 7) が、2014.7にリリースされました。
CentOS 6 からの変更が、案外、多いので、ちょっとまとめてみました。
実際に運用時に最低限必要なコマンドの違いは、さくらのVPSを使うときに最初にやっておきたいこと(CentOS 7編) が参考になると思います。
実例をあげて、運用時に行う基本的な設定を行っています。
- 目次
- 履歴
2015年1月15日 初版
CentOS 7 (RHEL 7) での変更点
CentOS 7 公式サイトの主な変更点の情報
CentOS 7 公式サイトからの主な変更点の情報は、以下のとおりです。
- Kernel 3.10.0 へのアップデート
- Linux コンテナーのサポート
時代の流れでしょうかね、コンテナー標準サポートになりました。
- Open VMware Tools と 3D グラフィックスドライバーを標準収録
- JDK のデフォルトが OpenJDK-7 へ変更
- 6.5 から 7.0 へのインプレースアップグレード
- Ext4 と XFS に対する LVM スナップショット
- systemd, firewalld, GRUB2 への移行
systemd は、serviceコマンドの代替として systemctl コマンドを提供します。
以下にsystemctl の主なコマンドと、serviceでの代替コマンドを一覧に乗せておきます。CentOS6までのコマンドイメージSystemdでの代替イメージサービスの起動|停止|再起動|再読込み|状態# 旧サービス起動 $ /etc/init.d/サービス名 start|stop|restart|reload|status # service 対応サービス $ service サービス名 start|stop|restart|reload|status # Upstart 対応サービス(initctlは省略できる) $ initctl start|stop|restart|reload|status サービス名
# service 対応サービス $ systemctl start|stop|restart|reload サービス名.service
自動起動を有効|無効$ chkconfig サービス名 on|off
# service 対応サービス $ systemctl enable|stop|disable サービス名.service
サービス一覧の表示# 旧サービス一覧 $ chkconfig --list
# service 対応サービス $ systemctl --type service
また、firewalldの提供及びデフォルト動作は、今後、(CentOS7でも使用可能だがデフォルト停止状態の)iptables コマンドの代替として firewall-cmd コマンドへ移行を促しているのだと思います。
- デフォルトファイルシステムが XFS へ変更
ファイルシステムとして長く利用されてきた ext2, ext3 が非推奨となり、 デフォルトのファイルシステムが XFS となりました。
- iSCSI と FCoE がカーネル実装に変更
- PTPv2 のサポート
- 40Gb イーサーネットカードのサポート
- 対応ハードウェア上で UEFI Secure Boot を使った構成のインストールをサポート
これ以外にも、気づいた点で影響の大きいものを以下にピックアップしておきます。
- net-tools がデフォルトではインストールさせない
このため、ifconfig コマンドが、デフォルトのインストールした状態で使えません。 今のところ、net-tools をインストールすれば、使えるようになりますが、基本的に、iproute2への移行になるものと思います。 以下にnet-tools の主なコマンドと、iproute2での代替コマンドを一覧に乗せておきます。
net-toolsの主なコマンドイメージiproute2での代替イメージ$ ifconfig -a
$ ip a show
$ ifconfig eth0 up
$ ip link set eth0 up
$ netstat
$ ss
- MySQLは、MariaDBへ変更となった。
- ntpdは、chronydへ変更となった。
RHEL 7 公式サイトの削除パッケージ情報
RHEL 7 公式サイトの削除機能・パッケージ情報は、以下のとおりです。
削除機能・パッケージ
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代替機能・パッケージ
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---|---|
gcj
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OpenJDK
|
備考
Java アプリケーションを、gcj を使ってネイティブコードにコンパイルしないでください。
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インストレーションアーキテクチャーとしての 32-bit アーキテクチャー
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64-bit アーキテクチャー
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備考
アプリケーションは、現在でも互換性ライブラリーを使って実行されます。64-bit Red Hat Enterprise Linux 6 でアプリケーションをテストしてください。32 ビットブートのサポートが必要な場合は、引き続き Red Hat Enterprise Linux 6 を使用してください。
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IBM POWER6 サポート
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なし
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備考
引き続き Red Hat Enterprise Linux 5 または 6 を使用してください。
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Matahari
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CIM ベースの管理
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備考
Matahari は Red Hat Enterprise Linux 6.4 から削除されましたので、使用しないでください。
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ecryptfs
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既存の LUKS または dm-crypt を使用したブロックベースの暗号化
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備考
移行できません。ユーザーは暗号化されたデータを再作成する必要があります。
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TurboGears2 web アプリケーションスタック
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なし
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備考
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OpenMotif バージョン 2.2
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Motif 2.3
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備考
Red Hat Enterprise Linux 6 にある現在の Motif バージョンをベースにアプリケーションを再構築します。
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webalizer web アナリティクスツール
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なし
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備考
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compiz ウィンドウマネージャー
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gnome-shell
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備考
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Eclipse Developer Toolset
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なし
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備考
Eclipse は、Red Hat Developer Toolset オファリングで提供されるようになりました。
| |
Qpid および QMF
|
なし
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備考
Qpid および QMF は、MRG オファリングで使用できます。
| |
amtu
|
なし
|
備考
Common Criteria の認定でこのツールは不要になりました。
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system-config-services
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systemadm
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備考
| |
pidgin フロントエンド
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empathy
|
備考
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perl-suidperl インタープリター
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なし
|
備考
この機能は、アップストリームの Perl では利用できなくなりました。
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pam_passwdqc 、pam_cracklib
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pam_pwquality
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備考
| |
HAL ライブラリーおよびデーモン
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udev
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備考
| |
ConsoleKit ライブラリーおよびデーモン
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systemd
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DeviceKit-power
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upower
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備考
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system-config-lvm
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gnome-disk-utility および system-storage-manager
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備考
gnome-disk-utility も Red Hat Enterprise Linux 6 に含まれます。system-storage-manager はより単純なタスクに使用され、 lvm2 コマンドは、LVM に関連する微調整やより複雑な操作に使用できます。
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system-config-network
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nm-connection-editor、nmcli
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備考
nm-connection-editor も Red Hat Enterprise Linux 6 にあります。
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taskjuggler
|
なし
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備考
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thunderbird
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evolution
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備考
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vconfig
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iproute
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備考
vconfig のすべての機能は、iproute パッケージの ip ツールによって提供されます。さらに詳しくは、ip-link(8) man ページを参照してください。
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種々の旧式グラフィックスドライバー
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最新ハードウェアまたは vesa ドライバー
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備考
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xorg-x11-twm
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なし
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備考
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xorg-x11-xdm
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gdm
|
備考
| |
system-config-firewall
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firewall-config および firewall-cmd
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備考
system-config-firewall は、 iptables サービスと共に、静的環境のみの代替ファイアーウォールソリューションの一部として引き続き利用できます。
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mod_perl
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mod_fcgid
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備考
mod_perl は HTTP 2.4 と互換性がありません
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busybox
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なし
|
備考
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prelink
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なし
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備考
prelink は Red Hat Enterprise Linux 7.0 に同梱されますが、デフォルトでは無効にされていることに注意してください。
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KVM および仮想化パッケージ (ComputeNode バリアント)
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KVM および仮想化に備わったバリアント (サーバーバリアントなど)
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備考
| |
module-init-tools
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kmod
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備考
| |
kernel-firmware-*
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linux-firmware
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備考
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flight-recorder
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なし
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備考
| |
wireless-tools
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コマンドラインから基本的なワイヤレスデバイスの操作を実行するには、iw パッケージの iw バイナリーを使用してください。
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備考
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libtopology
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hwloc
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備考
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digikam
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なし
|
備考
複雑な依存関係により、digiKam フォト管理プログラムは、Red Hat Enterprise Linux 7.0 ソフトウェアチャンネルでは使用できません。
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NetworkManager-openswan
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NetworkManager-libreswan
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備考
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KDE ディスプレイマネージャー (KDM)
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GNOME ディスプレイマネージャー (GDM)
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備考
GNOME ディスプレイマネージャーは、Red Hat Enterprise Linux 7.0 のデフォルトのディスプレイマネージャーです。KDE (K デスクトップ環境) は引き続き利用でき、かつサポートされていることに注意してください。
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virt-tar
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virt-tar-in および virt-tar-out
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備考
コマンドラインの構文が変更されたことに注意してください。さらに詳しくは、man ページを参照してください。
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virt-list-filesytems
|
virt-filesystems
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備考
コマンドラインの構文が変更されたことに注意してください。さらに詳しくは、man ページを参照してください。
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virt-list-partitions
|
virt-filesystems
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備考
コマンドラインの構文が変更されたことに注意してください。さらに詳しくは、man ページを参照してください。
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RHEL 7 公式サイトの非推奨パッケージ情報
RHEL 7 公式サイトの非推奨機能・パッケージ情報は、以下のとおりです。
非推奨機能・パッケージ
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代替機能・パッケージ
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---|---|
ext2、ext3 ファイルシステムのサポート
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ext4
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備考
ext4 コードは ext2 および ext3 ファイルシステムに使用できます。
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sblim-sfcb
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tog-pegasus
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備考
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レガシーの RHN でホストされる登録
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subscription-manager および Subscription Asset Manager
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備考
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acpid
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systemd
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備考
| |
evolution-mapi
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evolution-ews
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備考
Microsoft Exchange Server 2003 マシンからの移行を行なってください。
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gtkhtml3
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webkitgtk3
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備考
| |
sendmail
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postfix
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備考
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edac-utils および mcelog
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rasdaemon
|
備考
| |
libcgroup
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systemd
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備考
cgutils は引き続き Red Hat Enterprise Linux 7.0 に残りますが、systemd については、以降のリリースでお客様が移行できるようそのケイパビリティーを進化させています。
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krb5-appl
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openssh
|
備考
OpenSSH には、アクティブに保守が行なわれている標準とアクティブな開発と保守が行なわれているコードベースを使用して実装されている機能的に似通った各種のツールが含まれます。
| |
lvm1
|
lvm2
|
備考
| |
lvm2mirror および cmirror
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lvm2 raid1
|
備考
lvm2 raid1 はクラスターをサポートしません。cmirror を他に置き換える計画はありません。
|
ざっくり、個人的に使ったときに気になった点も含めて CentOS 6 からCentOS 7 への変更点を、かき集めてみました。
細かい点を含めて、もっとあると思います。
ただ、この記事が、CentOS 7 を使ってみようと思う方の何かの参考になればと思います。
細かい点を含めて、もっとあると思います。
ただ、この記事が、CentOS 7 を使ってみようと思う方の何かの参考になればと思います。
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