nginx で帯域制限をかける(limit_rate を使ってみる)
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apache で帯域制限をかける(mod_bw モジュールを使ってみた) でapacheで帯域制限をかけたのと同じようにnginxでも帯域制限をかけることができます。
今回は、nginxでの帯域制限の対応の仕方について解説してみたいと思います。
帯域制限 (Bandwidth )とは、
ネットワークの世界では、送受信データ量を制限するという意味でよく使われています。
そもそも 帯域幅 (Bandwidth) というのは、文字通り周波数の範囲 を指し、ネットワークの世界観のデータ通信幅的な意味とは、ちょっと異なります。
ただ、その語源は、この周波数が情報伝達能力に非常に関与しているために通信伝達能力を帯域幅などと代名詞のように使われているのが現状です。
nginx で帯域制限をかける(limit_rate を使ってみた)
nginx で帯域制限のためのディレクティブの種類が、いくつかあります。
その各種について簡単に解説します。
limit_rate
概要
このディレクティブは、通信速度を指定するためのディレクティブです。
その通信速度は、1つの接続に対しての制限速度を Bytes/Second で設定できます。
また、このディレクティブは、Coreモジュールに含まれているので、特にインストールなどの作業は必要ありません。
形式 : limit_rate rate
rate : 通信速度をBytes/Secondで指定します。
使えるディレクティブの範囲
このディレクティブは、以下のディレクティブ内で使用できます。
http
server
location
locationの中のif
使い方
以下のように使うことができます。
...
server {
listen 80;
server_name example.com;
...
location /video/ {
...
limit_rate 100K;
}
}
...
(100K : 100kByte/Sec の意味 )
この例では、http://example.com/video/ 配下のすべてに対するアクセスに対する通信速度は、100kByte/Sec に制限されます。
単純に、帯域制限(転送速度制限)をかけたい場合 は、この例のやり方で十分だと思います。
limit_rate_after
概要
このディレクティブは、limit_rateとともに使用し、ある一定サイズの通信後に通信速度を制限するためのディレクティブです。
また、このディレクティブは、Coreモジュールに含まれているので、特にインストールなどの作業は必要ありません。
形式 : limit_rate_after size
size : 通信するデータサイズを m: MB , K:KByte で指定します。
使えるディレクティブの範囲
このディレクティブは、以下のディレクティブ内で使用できます。
http
server
location
locationの中のif
使い方
以下のように使うことができます。
...
server {
listen 80;
server_name example.com;
...
location /video/ {
...
limit_rate_after 1m;
limit_rate 100K;
}
}
...
(100K : 100kByte/Sec の意味 )
この例では、http://example.com/video/ 配下のすべてに対するアクセスに対する通信速度は、1MB のデータを通信した後、100kByte/Sec に制限されます。
また、以下のようにすれば、動画ファイルの場合は、最初の1MBだけを通常速度とし、それ以降は、100kByte/Sec に制限されます。
...
server {
listen 80;
server_name example.com;
...
location ~ \.mp4$ {
...
limit_rate_after 1m;
limit_rate 100K;
}
}
...
limit_req
概要
このディレクティブは、limit_req_zone とともに使用し、ある一定量の要求を超えた場合、要求を拒否(制限)するためのディレクティブです。
要求を拒否(制限)が実行されると、要求数がおさまるまでの間のすべての要求に対して 503 Temporarily Unavailable が返信されます。
また、このディレクティブは、標準モジュールに含まれているので、特にインストールなどの作業は必要ありません。
形式 : limit_req zone = name [ burst = number ] [ nodelay ]
zone = name : limit_req_zoneで指定されている ゾーン名を指定します。
burst = number : 待機している要求数が指定した値(number)を超えた場合は、要求を拒否(制限)が実行されます。
nodelay : 待機している要求数が、指定された数値(burst=number)の回数未満の間の遅延処理が不要な場合は、このオプションを指定します。
使えるディレクティブの範囲
このディレクティブは、以下のディレクティブ内で使用できます。
使い方
limit_req_zone ディレクティブの使い方 を参照してください。
limit_req_zone
概要
このディレクティブは、limit_req とともに使用し、ある一定量の要求を超えた場合、要求を拒否(制限)するためのディレクティブです。
また、このディレクティブは、標準モジュールに含まれているので、特にインストールなどの作業は必要ありません。
形式 : imit_req_zone $variable zone = name : size rate = rate
$variable : 変数名を指定します。(ほとんどの場合、$binary_remote_addrを使用するでしょう)
zone = name : ゾーン名を指定します。
size : Zoneの最大サイズを指定します。
rate = rate : 要求数の割合を 秒、分のいずれかで指定します。
使えるディレクティブの範囲
このディレクティブは、以下のディレクティブ内で使用できます。
使い方
以下のように使うことができます。
...
limit_req_zone $binary_remote_addr zone=one:10m rate=1r/s;
...
server {
listen 80;
server_name example.com;
...
location /video/ {
...
limit_req zone=one burst=5;
}
}
...
この例は、公式サイトの例そのままですが、ちょっと解説しておきます。
この例では、
“one” と名付けられたゾーンが、セッションの状態を保存するための10MBが割り当てられ、1秒間あたりの要求数が、このゾーンに保存されている情報をもとに平均値として算出されます。
ここでは、ゾーンの割り当てられたサイズが10MBですから、$binary_remote_addr の1つのサイズが64バイトとされているので、
10(MB) = 10,000,000(Byte) ÷ 64(Byte) = 156,250 (Sessions)
となり、最大で約16万件の情報の平均値が、rate で指定されている 1 r/s(要求/秒) を超えたら、
limit_req ディレクティブで指定された burst 数の待ち要求数があるか確認し、それを超えた要求数がある場合は、以降の要求を 503 で処理します。
この例では、http://example.com/video/ 配下のすべてに対するアクセスに対して、上記のような振る舞いが実施されます。
このゾーンの考え方がポイントで、nginxでは、結構な割合で、このゾーンを使います。
ゾーンは、セッション情報のプールみたいな感じですかね。
limit_conn
概要
このディレクティブは、limit_conn_zone とともに使用し、ある一定量の接続数を超えた場合、接続要求を拒否(制限)するためのディレクティブです。
接続を拒否(制限)が実行されると、接続数がある一定量の接続数におさまるまでの間のすべての要求に対して 503 Temporarily Unavailable が返信されます。
また、このディレクティブは、標準モジュールに含まれているので、特にインストールなどの作業は必要ありません。
形式 : limit_conn zone number
zone : limit_conn_zone で指定されているゾーン名を指定します。
number : 接続数を指定します。指定したゾーンに保存された接続情報が、この値を超えた場合は要求を拒否(制限)が実行されます。
使えるディレクティブの範囲
このディレクティブは、以下のディレクティブ内で使用できます。
使い方
limit_conn_zone ディレクティブの使い方 を参照してください。
limit_conn_zone
概要
このディレクティブは、limit_conn とともに使用し、ある一定量の要求を超えた場合、要求を拒否(制限)するためのディレクティブです。
また、このディレクティブは、標準モジュールに含まれているので、特にインストールなどの作業は必要ありません。
形式 : limit_conn_zone $variable zone = name : size
$variable : 変数名を指定します。(ほとんどの場合、$binary_remote_addrを使用するでしょう)
zone = name : ゾーン名を指定します。
size : Zoneの最大サイズを指定します。
使えるディレクティブの範囲
このディレクティブは、以下のディレクティブ内で使用できます。
使い方
以下のように使うことができます。
...
limit_conn_zone $binary_remote_addr zone=addr:10m;
...
server {
listen 80;
server_name example.com;
...
location /video/ {
...
limit_conn addr 100;
}
}
...
この例は、公式サイトのlimit_req の例を、limit_conn用に変換したものです。これについて、ちょっと解説しておきます。
この例では、
“addr” と名付けられたゾーンが、セッションの状態を保存するための10MBが割り当てられ、KeepAlive ディレクティブで生きているセッションがここに保存されていきます。
ここでは、ゾーンの割り当てられたサイズが10MBですから、$binary_remote_addr の1つのサイズが64バイトとされているので、
10(MB) = 10,000,000(Byte) ÷ 64(Byte) = 156,250 (Sessions)
となり、約16万件の情報が保存できます。ここでは、その同時に接続している情報が、このゾーンの中で 100 を超えたら、以降の要求を 503 で処理します。
この例では、http://example.com/video/ 配下のすべてに対するアクセスに対して、上記のような振る舞いが実施されます。
単純に、接続数で制限をかけたい場合 は、この例のやり方で十分だと思います。
いかがだったでしょうか?
apacheのやり方とは、ちょっと異なりますが、apacheでやれることは、概ねやれますね。
サーバーの負荷が高い方には、どこか制限を設けることで解消することもありますので、ちゃんと原因分析できている場合には おすすめです。
ただ、やみくもになってしまうと、ただの重たいサーバーになるだけなので、十分、注意が必要だと思います。
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