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Ubuntu (Debian) で nginx に WebDAV拡張モジュール(ngx-dav-ext-module)を組み込むで使ってみる

2012年11月1日 2015年5月14日
nginx webdav

今回は、Ubuntu Server(Debian) で nginx を使った WebDAV を構築してみたいと思います。
( Apache 版は、apache で WebDAVを使ってファイル共有してみる を参照してください。 )
( この記事では、nginx への WebDAVモジュールの組み込みまでです。nginx でのWebDAV の使い方については、nginx で WebDAVを使ってファイル共有してみる を参照してください。 )

WebDAVWeb-based Distributed Authoring and Versioning)とは、
Hypertext Transfer Protocolを拡張したもので、Webサーバ上のファイル管理を目的とした分散ファイルシステムを実現するプロトコルである。

特徴として、Webサーバ等でコンテンツのアップロードや更新を行う際に、FTPやscpのような別のサービス・プロトコルを使うことなく、HTTPだけで全てのコンテンツ管理を完結できる。また、HTTPの拡張のみによって実装されているため、ファイヤーウォールによって既存のファイル転送サービスが利用できない環境や、HTTPプロキシを経由した環境でも利用できる。

出典 : http://ja.wikipedia.org/wiki/WebDAV

nginxには、基本動作のみに対応した WevDAVモジュールが標準でMakeできるようになっています。(一般的なバイナリには、この設定は無効になっていると思います。)

一般的なバイナリパッケージは、この設定は無効になっていると思います。現在インストール済みのnginxが標準のWevDAVモジュールを含んでいるか確認するには、以下のコマンドで確認できます。
$ nginx -V
TLS SNI support enabled
configure arguments: 
    --prefix=/etc/nginx/ 
    --sbin-path=/usr/sbin/nginx 
    --conf-path=/etc/nginx/nginx.conf 
    --error-log-path=/var/log/nginx/error.log 
    --http-log-path=/var/log/nginx/access.log 
    --pid-path=/var/run/nginx.pid 
    --lock-path=/var/run/nginx.lock 
    --http-client-body-temp-path=/var/cache/nginx/client_temp 
    --http-proxy-temp-path=/var/cache/nginx/proxy_temp 
    --http-fastcgi-temp-path=/var/cache/nginx/fastcgi_temp 
    --http-uwsgi-temp-path=/var/cache/nginx/uwsgi_temp 
    --http-scgi-temp-path=/var/cache/nginx/scgi_temp 
    --user=nginx 
    --group=nginx 
    --with-http_ssl_module 
    --with-http_realip_module 
    --with-http_addition_module 
    --with-http_sub_module 
    --with-http_dav_module 
    --with-http_flv_module 
    --with-http_mp4_module 
    --with-http_gzip_static_module 
    --with-http_random_index_module 
    --with-http_secure_link_module 
    --with-http_stub_status_module 
    --with-http_perl_module 
    --with-mail 
    --with-mail_ssl_module 
    --with-file-aio 
    --with-ipv6 
    --add-module=/usr/local/src/nginx-pkg-3/nginx-1.2.3/ngx_cache_purge-1.6
( ここでは、見やすいように改行を入れています。)
–with-http_dav_module が含まれていれば、標準のWevDAVモジュールは組み込まれています。

この標準のWevDAVモジュールには、WebDAV で用いるメソッド(API)のうち以下のものに対応しています。

  • PUT
  • DELETE
  • MKCO
  • COPY
  • MOVE

ただ、これでは、Windowsからのアクセスには不足していて、フル対応とするには、以下のメソッドが必要となります。

  • PROPFIND
  • OPTIONS

この不足分を補うのは、WebDAV拡張モジュール(ngx-dav-ext-module) になります。
基本メソッドのみに対応しているWebDAVクライアントソフトもあります。ただ、ここでは、Windowsのエクスプローラからのアクセスも可能にしたいので、拡張モジュールの組み込みまで行ってみます。
( この記事では、nginx への WebDAVモジュールの組み込みまでです。nginx でのWebDAV の使い方については、nginx で WebDAVを使ってファイル共有してみる を参照してください。 )

ここでは、Ubuntu Server をメインに記述していますが、ここの内容はDebianでも同様です。
Ubuntu Server と Debian とで異なる点は、その都度記載しています。また、sudo は、Debianの場合、インストール(使用)されていない方は 無視してください。

nginx の最新版を手に入れるには ( リポジトリの設定 )

ここでの入手方法は、nginxの公式サイトからの入手になっています。
debianリポジトリの有名どころである Dotdeb からの入手方法は、Debian(Ubuntu 12) で Dotdeb から最新のnginx をインストール、php-fprm を使ってphpを動かしてみる を参照してください。

リポジトリの設定を終えたら、nginx のパッケージ(pkg)を作成する ( WebDAV拡張モジュール(ngx-dav-ext-module)を組み込む ) へ進んでください。

まずは、最新版のnginxを入手する方法を解説しておきます。
その後、WebDAV拡張モジュール(ngx-dav-ext-module) を組み込んでみます。
最新版のnginxを入手するには、もちろんnginxのサイトをリポジトリに登録することで安定版(stable)の最新版を入手することができます。以降に、その方法を簡単に解説しておきます。

nginxのサイトから、パッケージの公開鍵をダウンロードし、apt-keyで追加する

Debian / Ubuntu では、ダウンロードするパッケージが安全か否かを判断するための公開キーを追加する必要があります。

$ wget "http://nginx.org/keys/nginx_signing.key"
$ sudo apt-key add nginx_signing.key
[sudo] password for hoge:
OK

nginxのサイトをパッケージダウンロード先として登録する

いわゆるリポジトリの登録です。/etc/apt/sources.list の末尾に以下を追記します。

Ubuntu 10

$ sudo vi /etc/apt/sources.list
[sudo] password for hoge:
...
# nginx
deb http://nginx.org/packages/ubuntu/ lucid nginx
deb-src http://nginx.org/packages/ubuntu/ lucid nginx

Debian 6

$ vi /etc/apt/sources.list
...
# nginx
deb http://nginx.org/packages/debian/ squeeze nginx
deb-src http://nginx.org/packages/debian/ squeeze nginx

apt-get でキャッシュならびシステムの更新を行う

ダウンロード先の登録などを行った場合は、キャッシュ情報など更新のために apt-get でアップデートを行います。

$ sudo apt-get update
[sudo] password for hoge:
...
Reading package lists... Done
ここまでできたら、最新版のnginxをインストールすることができます。バイナリをそのままインストールしたい場合、
$ sudo apt-get install nginx
[sudo] password for hoge:
...
これですぐに最新版をインストールすることができます。

ここでは、モジュールを追加したいので、自前でパッケージを作成します。 そのために、次に最新のソースコード一式をダウンロードし、WebDAV拡張モジュール(ngx-dav-ext-module)モジュールを組み込んでみます。


nginx のパッケージ(pkg)を作成する ( WebDAV拡張モジュール(ngx-dav-ext-module) を組み込む )

先にも説明したように、WebDAV拡張モジュール(ngx-dav-ext-module)をnginxに組み込むには、pkgの再構築が必要になります。
以前の「Nginxの最新版ソースから バイナリパッケージ(rpm)を作成し、インストールする」で、nginxのrpmの再構築を行いました。
基本的なやり方は、同じです。rpm が pkg へ変わる程度です。 一応、順を追って、先の「Nginxの最新版ソースから バイナリパッケージ(rpm)を作成し、インストールする」になぞって解説してみます。

パッケージを作成するために必要な環境をインストールする

パッケージを作成する上で、最低限必要なパッケージ(dpkg-dev , dh-make)をインストールします。

$ sudo apt-get install dpkg-dev
[sudo] password for hoge:
...
$ sudo apt-get install dh-make
[sudo] password for hoge:
...

nginxの最新版のソースコード一式をダウンロードする

nginxの最新版のソースコード(パッケージ作成環境)一式をダウンロードします。

$ sudo apt-get source nginx
[sudo] password for hoge:
...
$ sudo chmod -R hoge. *
[sudo] password for hoge:
Ubuntuの場合、ソースコードの展開先は、カレントディレクトリになります。 後々、面倒なので、Ubuntu なら、自分のホームディレクトリに適当なディレクトリを作成して、そこで上記の apt-get を実行すると良いでしょう。
また、Debiansudo を利用していない場合などは、/usr/local/src がわかり易いでしょうね。
$ mkdir ~/nginx-pkg
$ cd ~/nginx-pkg
[~/nginx-pkg]$ sudo apt-get source nginx
...

また、最後にファイル、ディレクトリ一式の所有者を切り替えています。
(su で rootになっている場合は問題ありませんが、) 元はrootになっていて、ビルド実行時にエラーとなることがあります。

以降の説明では、/home/hoge/src/nginx-pkg/ へ展開したものとして解説します。

nginxのビルドに必要なライブラリをインストールする

nginxをビルドする際に必要になるライブラリ( libpcre3-dev , libssl-dev , zlib1g-dev )をインストールします。

$ sudo apt-get install libpcre3-dev libssl-dev zlib1g-dev
[sudo] password for hoge:
...
nginx 1.2.4 では、少なくとも libpcre3-dev , libssl-dev , zlib1g-dev が必要でした。
必要なパッケージは、以下のように nginxの最新版のソースコードの controlファイルに記載されているので、確認すると良いでしょう。
[~/nginx-pkg]$ cd nginx-1.2.4/
[~/nginx-pkg/nginx-1.2.4]$ cat debian/control | grep Build-Depends:
Build-Depends: debhelper (>= 7.0.50~), libssl-dev (>= 0.9.7), libpcre3-dev, zlib1g-dev
nginx-1.3.0 の場合は、ディレクトリ名が異なるのみです。
: nginx-1.2.4 → nginx-1.3.0 となります。

以降、nginx-1.2.4として解説しますが、手順は、nginx-1.2.0でも同じです。

WebDAV拡張モジュール(ngx-dav-ext-module)をダウンロードし、組み込む

WebDAV拡張モジュール(ngx-dav-ext-module)をダウンロードし、Buildオプションを設定します。

[~/nginx-pkg/nginx-1.2.4]$ git git clone https://github.com/arut/nginx-dav-ext-module.git
WebDAV拡張モジュール(ngx-dav-ext-module) は、(バージョン管理システムの一つ)gitで管理されています。そのため、gitコマンドを使って最新版をダウンロードすることができます。
( git コマンドが使えない方は、aptでインストールしましょう。)

また、Buildオプションの設定時にモジュールを展開したディレクトリを指定する必要があります。
ここでの例では、
/home/hoge/src/nginx-pkg/nginx-1.2.4/nginx-dav-ext-module <br />
が必要になります。

nginx のBuildオプションにWebDAV基本モジュール、WebDAV拡張モジュール(ngx-dav-ext-module)を設定します。
./nginx-1.2.4/debian/rules ファイルにて設定します。

[~/nginx-pkg/nginx-1.2.4]$ sudo vi debian/rules
[sudo] password for hoge:
...
override_dh_auto_build:
        dh_auto_build
        mv objs/nginx objs/nginx.debug
        ./configure \
                --prefix=/etc/nginx/ \
                --sbin-path=/usr/sbin/nginx \
                 ...
                --with-http_dav_module \
                 ...
                --with-ipv6 \
                --add-module=/home/hoge/src/nginx-pkg/nginx-1.2.4/nginx-dav-ext-module
...
configure_debug:
        ./configure \
                --prefix=/etc/nginx/ \
                --sbin-path=/usr/sbin/nginx \
                 ...
                --with-http_dav_module \
                 ...
                --with-ipv6 \
                --add-module=/home/hoge/src/nginx-pkg/nginx-1.2.4/nginx-dav-ext-module \ 
                --with-debug

...

それぞれ、
–with-http_dav_module \ : WebDAV基本モジュールの設定箇所
–add-module=/home/hoge/src/nginx-pkg/nginx-1.2.4/nginx-dav-ext-module \ : WebDAV拡張モジュールの設定箇所
になります。


nginx をビルドし、パッケージを作成する

nginx をビルドし、パッケージを作成します。
Ubuntu では、パッケージ作成を行う場合、dpkg-buildpackageを使います。

[~/nginx-pkg/nginx-1.2.4]$ dpkg-buildpackage -uc -b -d
...
[ dpkg-buildpackage のパラメータの意味 ]
-uc    .changesファイルへ書き込みません。
-b    バイナリパッケージのみ作成します。
      ソースコードを含みません。
-d    ビルドの依存関係とコンフリクトをチェックしません。

バイナリパッケージは、一つ下位ディレクトリに作成されます。

[~/nginx-pkg/nginx-1.2.4]$ ls ../
nginx-1.2.4                   nginx_1.2.4-1_i386.changes
nginx-debug_1.2.4-1_i386.deb  nginx_1.2.4-1_i386.deb
nginx_1.2.4-1.debian.tar.gz   nginx_1.2.4.orig.tar.gz
nginx_1.2.4-1.dsc             

ここでは、32bitOSなので、
Ubuntu : nginx_1.2.4-1_i386.deb
Debian : nginx_1.2.4-1~squeeze_i386.deb
というパッケージファイルが作成されました。


最新のnginx をインストールして、動かしてみる

ここまでで作成したnginxの最新パッケージをインストールして、動かしてみます。

Ubuntu 10

[~/nginx-pkg/nginx-1.2.4]$ sudo dpkg -i ../nginx_1.2.4-1_i386.deb
[sudo] password for hoge:
...

Debian 6

[~/nginx-pkg/nginx-1.2.4]$ dpkg -i ../nginx_1.2.4-1~squeeze_i386.deb
...

続けて、サービスを起動してみます。
( インストールした時点で起動していると思います。もし、起動していないなら、手動で起動してみましょう。 )

$ sudo /etc/init.d/nginx start
[sudo] password for hoge:
$ ps aux|grep nginx
root     23545  0.0  0.0   4960   752 ?        Ss   13:45   0:00 nginx: master process /usr/sbin/nginx -c /etc/nginx/nginx.conf
nginx    23546  0.0  0.1   5116  1124 ?        S    13:45   0:00 nginx: worker process
hoge     23581  0.0  0.0   1860   580 pts/0    R+   13:46   0:00 grep --color=auto nginx

ちゃんと動作しているようなので、ブラウザから確認してみましょう。
以下のような初期ページが表示されればOKです。

nginxの初期画面

ちゃんと WebDAV基本モジュール、WebDAV拡張モジュール(ngx-dav-ext-module) が、組み込まれたかどうか確認するには、以下のようにコマンドで確認できます。
$ nginx -V
nginx version: nginx/1.2.4
TLS SNI support enabled
configure \
arguments: \
    --prefix=/etc/nginx/ \
    --sbin-path=/usr/sbin/nginx \
    --conf-path=/etc/nginx/nginx.conf \
    --error-log-path=/var/log/nginx/error.log \
    --http-log-path=/var/log/nginx/access.log \
    --pid-path=/var/run/nginx.pid \
    --lock-path=/var/run/nginx.lock \
    --http-client-body-temp-path=/var/cache/nginx/client_temp \
    --http-proxy-temp-path=/var/cache/nginx/proxy_temp \
    --http-fastcgi-temp-path=/var/cache/nginx/fastcgi_temp \
    --http-uwsgi-temp-path=/var/cache/nginx/uwsgi_temp \
    --http-scgi-temp-path=/var/cache/nginx/scgi_temp \
    --user=nginx \
    --group=nginx \
    --with-http_ssl_module \
    --with-http_realip_module \
    --with-http_addition_module \
    --with-http_sub_module \
    --with-http_dav_module \
    --with-http_flv_module \
    --with-http_mp4_module \
    --with-http_gzip_static_module \
    --with-http_random_index_module \
    --with-http_secure_link_module \
    --with-http_stub_status_module \
    --with-mail \
    --with-mail_ssl_module \
    --with-file-aio \
    --with-ipv6 \
    --add-module=/usr/local/src/nginx-pkg-3/nginx-1.2.3/ngx_cache_purge-1.6 \
    --add-module=/home/hoge/src/nginx-pkg/nginx-1.2.4/nginx-dav-ext-module
configure があまりに長いので 適当な箇所で\ 記号で改行しています。
ちゃんと http_dav_modulenginx-dav-ext-module が出力されていますね。

次回の nginx で WebDAVを使ってファイル共有してみる では、この nginx で WebDAV を使ってみます。
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